今回のテーマは、「FPと倫理・関連法規」である。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年9月13日実施)
《問1》 ファイナンシャル・プランニングを業として行ううえでの関連法規に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問における独占業務とは、当該資格を有している者のみが行うことができる業務であるものとし、各関連法規において別段の定めがある場合等は考慮しないものとする。
- 社会保険労務士法により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「帳簿書類の作成」は、社会保険労務士の独占業務である。
- 不動産の鑑定評価に関する法律により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う「不動産の鑑定評価」は、不動産鑑定士の独占業務である。
- 土地家屋調査士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有・
無償を問わず、土地家屋調査士の独占業務である。 - 税理士法により、他人の求めに応じて業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。
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正解は 3 です。
【前提知識】
・社会保険労務士法
・不動産の鑑定評価に関する法律
・司法書士法・土地家屋調査士法
・税理士法
1 正しい。
社会保険労務士法第2条第1項および第27条(業務の制限)の規定に基づき、各業務の分類と独占性は以下のとおり整理される。
- 1号業務(申請書等の作成・手続代行など):社会保険労務士の独占業務である。
- 2号業務(帳簿書類の作成):社会保険労務士の独占業務である。
- 3号業務(相談・指導/コンサルティング):非独占業務(誰でも行える業務)である。
(社会保険労務士の業務)
第二条 社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
一 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(略)を作成すること。
一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。
(略)
二 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること。
三 事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること(これらの事項に係る法令並びに労働協約、就業規則及び労働契約の遵守の状況を監査することを含む。)。
(略)
(業務の制限)
第二十七条 社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。
(社会保険労務士法・e-GOV法令検索)
2 正しい。
不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務に該当する。(不動産の鑑定評価に関する法律36条)
(不動産鑑定士でない者等による鑑定評価の禁止)
第三十六条 不動産鑑定士でない者は、不動産鑑定業者の業務に関し、不動産の鑑定評価を行つてはならない。
2 不動産鑑定業者は、その業務に関し、不動産鑑定士でない者に不動産の鑑定評価を、第四十条第一項又は第二項の規定による禁止の処分を受けた者に鑑定評価等業務を行わせてはならない。
(不動産の鑑定評価に関する法律・e-GOV法令検索)
3 誤り。
権利に関する登記は「司法書士」の独占業務
「不動産の権利に関する登記(所有権移転、抵当権設定など)」の申請代理や関連書類の作成は、司法書士法第3条・第73条等により司法書士の独占業務である。
土地家屋調査士の独占業務との違い
土地家屋調査士法に基づき土地家屋調査士が独占業務とするのは、不動産の「表示に関する登記(物理的状況の調査・測量・表題部登記など)」である。
(業務)
第三条 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 登記又は供託に関する手続について代理すること。
(略)
(非司法書士等の取締り)
第七十三条 司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者(協会を除く。)は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(司法書士法・e-GOV法令検索)
(業務)
第三条 調査士は、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量
二 不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続についての代理
三 不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続について法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第五号において同じ。)の作成
(略)
(非調査士等の取締り)
第六十八条 調査士会に入会している調査士又は調査士法人でない者(協会を除く。)は、第三条第一項第一号から第五号までに掲げる事務(同項第二号及び第三号に掲げる事務にあつては、同項第一号に掲げる調査又は測量を必要とする申請手続に関するものに限る。)又はこれらの事務に関する同項第六号に掲げる事務を行うことを業とすることができない。
(略)
(土地家屋調査士法・e-GOV法令検索)
4 正しい。
無償であっても禁止
税理士法第2条第1項および第52条の規定により、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」(いわゆる税理士の1号〜3号業務)は、有償・無償を問わず、税理士(または税理士法人)以外の者が業として行うことが禁止されている。
(税理士の業務)
第二条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(略)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 税務代理(略)
二 税務書類の作成(略)
三 税務相談(略)
(略)
(税理士業務の制限)
第五十二条 税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。
(税理士法・e-GOV法令検索)
(解法のポイント)
頻出論点である。しっかりと整理しておこう。


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