今回のテーマは、「国民年金の合算対象期間」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)《問4》
《問4》 国民年金の合算対象期間に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 1986年4月1日以後の期間のうち、国民年金の第2号被保険者であった20歳未満の期間および60歳以後の期間は、いずれも合算対象期間とされる。
2) 日本国籍を有する者であって海外に居住していた1986年4月1日以後の期間のうち、国民年金に任意加入できるのに任意加入しなかった20歳以上65歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
3) 大学生(夜間制、通信制を除く)であった1961年4月1日から1991年3月31日までの期間のうち、国民年金に任意加入できるのに任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
4) 1961年4月1日から1986年3月31日までの期間のうち、厚生年金保険の被保険者の配偶者で、かつ、国民年金に任意加入できるのに任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)
正解:2
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。
主な合算対象期間
※は20歳以上60歳未満の期間に限ります。
1.昭和61年4月1日以降の期間
(1)日本人であって海外に居住していた期間のうち国民年金に任意加入しなかった期間※
(2)平成3年3月までの学生(夜間制、通信制を除き、年金法上に規定された各種学校を含む)であって国民年金に任意加入しなかった期間※
(3)第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満の期間又は60歳以上の期間
(4)国民年金に任意加入したが保険料が未納となっている期間※
(5)昭和36年5月1日以降に日本国籍を取得した方又は永住許可を受けた方の、海外在住期間のうち、取得又は許可前の期間※
.昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間
(1)厚生年金保険、船員保険及び共済組合の加入者の配偶者で国民年金に任意加入しなかった期間※
(2)被用者年金制度等から支給される老齢(退職)年金受給権者とその配偶者、老齢(退職)年金の受給資格期間を満たした人とその配偶者、障害年金受給権者とその配偶者、遺族年金受給権者で国民年金に任意加入しなかった期間※
(3)学生(夜間制、通信制、各種学校を除く)であって国民年金に任意加入しなかった期間※
(以下略)
日本年金機構のWebサイト(抜粋)
(筆者注)昭和36年=1961年、昭和61年=1986年、平成3年=1991年
1 正しい。
第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満の期間又は60歳以上の期間は算対象期間とされる。
2 誤り。
日本人であって海外に居住していた期間のうち国民年金に任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
3 正しい。
大学生(夜間制、通信制を除く)であった1961年4月1日から1991年3月31日までの期間のうち、国民年金に任意加入できるのに任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
4 正しい。
1961年4月1日から1986年3月31日までの期間のうち、厚生年金保険の被保険者の配偶者で、かつ、国民年金に任意加入できるのに任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
(解法のポイント)合算対象期間のみを問う問題である。応用編の老齢年金の計算でも必須知識である。本問でしっかりと復習しておこう。
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