FP2級の過去問を解こう(2024年1月)「都市計画法」

都市計画 FP

今回のテーマは、「都市計画法」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)問題 44

問題 44
都市計画法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.すべての都市計画区域について、都市計画に市街化区域と市街化調整区域の区域区分を定めなければならない。
2.都市計画区域のうち、市街化調整区域は、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域である。
3.開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発工事完了の公告があるまでの間は、原則として、建築物を建築することができない。
4.市街化調整区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的として行う開発行為は、開発許可を受ける必要がある。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)

正解:3

それでは、各肢を検討していこう。
2024年1月実施の問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は、本稿執筆現在施行されている法令等に基づくものとする。

1 誤り。

都市計画区域とは、都市計画を定める対象となる区域であり、市街化区域と市街化調整区域に区分(線引き)することができる。なお、三大都市圏の一定の区域や一定の大都市の都市計画区域では、必ず区分(線引き)を行う。

したがって、すべての都市計画区域について、区域区分を定めるものとはされていない。

市街化区域
既に市街地を形成している区域及び概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域
市街化調整区域
市街化を抑制すべき区域

類題)すべての都市計画区域において、都市計画に市街化区域と市街化調整区域との区分(区域区分)を定めるものとされている。✖
2級 学科試験(2022年9月実施)問題 45ー1
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題 45ー1

2 誤り。

都市計画区域のうち、市街化区域は、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域である。

3 正しい。

開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発行為に関する工事完了の公告があるまでの間は、原則として、建築物を建築することができない。(都市計画法37条本文)
ただし、以下の例外がある。(同ただし書)

  • 当該開発行為に関する工事用の仮設建築物又は特定工作物を建築し、又は建設するとき、その他都道府県知事が支障がないと認めたとき。
  • 開発行為に同意をしていない者が、その権利の行使として建築物を建築し、又は特定工作物を建設するとき。

なお、開発行為に関する工事完了の公告であっても、開発区域内の土地の譲渡はできる。

類題)開発許可を受けた開発区域内の土地においては、開発行為に関する工事完了の公告があるまでの間は、原則として、建築物を建築することができない。〇
1級 学科試験<基礎編>(2023年9月10日実施)《問38》ー4

4 誤り。

許可が不要とされる主な開発行為

  • 市街化区域内で行う1,000㎡未満(三大都市圏の一定区域では、500㎡未満)の開発行為(条例で300㎡まで引き下げが可能)
  • 市街化調整区域内で行う農林漁業用の建築物または、農林漁業従事者の居住用建築物を建築するための開発行為
  • 土地区画整理事業、市街地再開発事業等として行う開発行為

したがって、開発許可を受ける必要はない。

類題)農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築を目的として市街化調整区域内で行う開発行為は、都道府県知事等による開発許可を受ける必要がある。✖
2級 学科試験(2022年度9月実施)問題 45ー4

類題)市街化調整区域内において、農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為は、開発許可を受ける必要はない。〇
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題 45ー3

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