【FP1級】2026年1月「火災保険」

FP

今回のテーマは、「火災保険」である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年1月25日実施)

《問13》 住宅建物および家財を対象とする火災保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 火災保険に加入する場合、保険期間は1年単位で10年まで選択することができ、長期契約の保険料を一括払いした場合には、所定の割引率が適用される。
2) 火災保険から支払われる保険金の額は、損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」に区分し、再調達価額にその区分に応じた割合を乗じ、その金額から免責金
額を控除して算出される。
3) 火災保険の対象となる住宅建物について、風・雨・雹(ひょう)・雪・砂塵等の建物内部への吹込みや浸込み等により生じた損害は、風災等による屋根や壁等の建物の外側の破損がない場合、補償の対象とならない。
4) 隣家で発生した火災の消火活動で、火災保険の対象となる住宅建物に生じた水濡れによる損害は、その火災について隣家の所有者または居住者に重大な過失がなければ、補償の対象とならない。

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正解は 3 です。

【前提知識】
火災保険


1 誤り。

火災保険の契約期間と割引

  • 最長期間の制限
    現在は最長5年である。(※かつては36年や10年という長期契約が可能だったが、相次ぐ自然災害によるリスク連動の見直しから、現在は最長5年となっている)
  • 長期一括払いの割引
    2年以上の長期契約をして保険料を「一括払い」した内容に対して、所定の割引(長期係数による割引)が適用されるという仕組み自体は正しいである。

2 誤り。

「全損」「大半損」「小半損」「一部損」という4つの区分は、火災保険ではなく地震保険の損害認定基準である。

火災保険は、原則として「実損填補」である。
損害の程度を上記のような4区分に分けるのではなく、実際に発生した損害額(損害を復旧するために必要な金額)をベースに計算する。

$$\text{支払保険金} = \text{実際の損害額} – \text{免責金額(自己負担額)}$$

※ただし、設定した保険金額が上限となる。

3 正しい。

火災保険の「風災・雹(ひょう)災・雪災」の補償において、雨や雪、砂塵などが建物内部に吹き込んだことによる損害は、外壁や屋根などの外側がまず破損したことが前提となる。

4 誤り。

隣家の火災(もらい火)による消火活動の放水で自分の家が水浸しになった場合、隣人に重大な過失があるかどうかに関係なく、自分の火災保険の「火災(消火活動による水濡れ含む)」として補償の対象になる。

失火責任法による壁
失火責任法(正式名称:失火ノ責任ニ関スル法律)では、隣人が火事を出して自分の家が燃えたり水浸しになったりしても、隣人に「重大な過失(重過失)」がない限り、隣人に損害賠償を請求することができない。(軽過失なら隣人は責任を負わなくてよい)

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
(失火ノ責任ニ関スル法律・e-GOV法令検索)

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(民法・e-GOV法令検索)

自分の火災保険で守る
隣人から補償してもらえないため、自衛手段として自分の火災保険を使って直す必要がある。火災保険の「火災」の補償には、火そのものによる損害だけでなく、消火活動(放水)によって生じた水濡れ損害も含まれているため、隣人の過失の有無に関わらず保険金が支払われる。


解法のポイント
「窓を閉め忘れて雨が吹き込んだ」というのは、単なる不注意(風災の事故ではない)とみなされる。「強い風や雹によって建物が壊され、そこから雨などが侵入したかどうか」が境界線となる。


【オンスク.JP】


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