【FP1級】2026年5月「贈与税」

FP

今回テーマは、「贈与税」である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年5月24日実施)

《問43》 贈与税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

  1. 契約者(=保険料負担者)および被保険者をAさん、死亡保険金受取人を妻Bさん
    とする終身保険において、契約者(=保険料負担者)を妻Bさんに変更した場合、妻
    Bさんは、その変更時において、Aさんが負担していた保険料に相当する額の贈与を
    受けたものとみなされる。
  2. Cさんが、父Dさんの所有する土地を無償で借り受けて当該土地上に家屋を建築し、
    居住の用に供した場合、原則として、Cさんは、父Dさんから当該土地に係る借地権
    の贈与を受けたものとみなされる。
  3. 相続時精算課税適用者であるEさんが、2026年4月に特定贈与者である母Fさんか
    ら相続税評価額2,000万円の土地の贈与を受けた後、母Fさんが2026年10月に死亡した場合に、2027年3月15日までに母Fさんの相続に係る相続税の申告をすることができないときは、Eさんは、当該土地の贈与について贈与税の申告をしなければならない。
  4. Gさんが、2026年4月に叔父Hさんから家屋の贈与を受けた後、養子縁組により叔
    父Hさんの養子となり、2026年10月に叔父Hさん(養親)から土地の贈与を受けて相
    続時精算課税を選択した場合、家屋に係る贈与税額の計算上、課税価格から暦年課税
    に係る基礎控除額が控除され、土地に係る贈与税額の計算上、課税価格から相続時精
    算課税に係る基礎控除額が控除される。
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正解は 4 です。

【前提知識】
贈与税


1 誤り。

名義変更時
契約者(保険料負担者)をAさんから妻Bさんへ変更した時点では、原則として贈与税などの課税関係は発生しない。単に契約上の権利・義務の名義を変更しただけであり、まだ妻Bさんに経済的利益(保険金や解約返戻金など)の現実に受領される段階に至っていないためである。

課税されるタイミング
贈与税が課税されるのは契約者を変更した時点ではなく、例えば変更後の契約者が解約して解約返戻金を受け取った場合など、実際に経済的利益を取得した時点である。

2 誤り。

使用貸借の取り扱い
土地を無償または公租公課程度の負担で借りて家屋を建てる契約を「使用貸借」という。使用貸借による借地権は、建物の所有を目的とする借地借家法上の強力な借地権とは異なり、第三者に譲渡することもできず、権利としての価値(自立した財産的価値)はゼロとみなされる。

贈与税が課されない理由
権利の価値がゼロ(または極めて低い)と扱われるため、父Dさんから子Cさんへ土地に係る借地権の贈与があったとはみなされず、贈与税は課されない

3 誤り。

相続時精算課税の適用を受けている者が、年の中途において特定贈与者からの贈与を受け、その同年中に特定贈与者が死亡した場合、その贈与財産は相続税の課税対象へと一本化される。

したがって、この土地については、相続時精算課税の対象となるため、贈与税ではなく、母Fさんの相続税の計算に反映される。

4 正しい。

2026年4月時点では、Hさんは「叔父」であり直系尊属ではないため、Gさんは相続時精算課税を選択できず、暦年課税が適用される。

その後、10月に養子縁組を行ったことでHさんは「養親(直系尊属)」となり、相続時精算課税の適用要件を満たすため、10月の贈与について相続時精算課税を選択することができる

暦年課税(4月の家屋)
暦年課税の基礎控除額(年110万円)が適用される。

相続時精算課税(10月の土地)
相続時精算課税にも年110万円の基礎控除枠(特別控除2,500万円とは別枠)が創設されたため、課税価格から相続時精算課税に係る基礎控除額が控除される。


解法のポイント
相続時精算課税は頻出論点である。しっかりと整理しておこう。

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