【FP2級】CBT試験問題・2025年5月公表分・学科「民法:相続分」

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今回のテーマは、「民法:相続分」である。

CBT試験問題・2級 学科試験(2025 年5月公表分) 問 53

問53
民法上の相続分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

1) 養子の法定相続分は、実子の法定相続分と同じである。
2) 嫡出でない子の法定相続分は、嫡出である子の法定相続分の2分の1である。
3) 父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の法定相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の法定相続分の2分の1である。
4) 代襲相続人が1人である場合、その代襲相続人の法定相続分は、被代襲者が受けるべきであった法定相続分と同じである。

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正解は2です。

【前提知識】
民法(相続分)


それでは、各肢を検討していこう。

1 正しい。

民法において、養子の法定相続分に関する扱いは、実子との格差はない

普通養子であれ特別養子であれ、養子は縁組の日から「嫡出子(婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子)」と同一の身分を取得する。そのため、相続における優先順位や取り分(法定相続分)については、実子と全く同一に扱われる。

養子縁組には2つの種類があるが、いずれも養親の相続に関しては実子と同じ権利を持つ。

  • 普通養子縁組: 実親との親子関係も継続するため、実親と養親の両方の相続権を持つ。
  • 特別養子縁組: 実親との法的な親子関係が終了するため、養親の相続権のみを持つ。

2 誤り。

以前の民法では、嫡出でない子(非嫡出子)の法定相続分は嫡出子の2分の1とされていたが、現在は改正され、両者の法定相続分は平等になっている。

例えば、配偶者と子供2人(嫡出子A、非嫡出子B)が相続人の場合、法定相続分は以下のようになる。

相続人相続分
配偶者1/2
子A(嫡出子)1/4(残りの1/2を子2人で折半)
子B(非嫡出子)1/4(同上)

3 正しい。

兄弟姉妹が相続人となるケース(亡くなった方に子供もおらず、親などの直系尊属も既に亡くなっている場合)において、いわゆる「半分だけ血のつながった兄弟(半血兄弟)」は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の法定相続分の2分の1である。(900条第4号)

(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
(略)
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

民法(e-Gov法令検索)

肢2では、「嫡出でない子(非嫡出子)」の場合は、法の下の平等により実子と「同等」になった。しかし、兄弟姉妹におけるこの規定は現在も有効である。

これは、兄弟姉妹の相続が「親を通じた財産の承継」という側面を持つため、両親を共有している兄弟の方が、片親のみを共有している兄弟よりも血縁関係がより密接である(2倍のルートがある)と解釈されているためである。

4 正しい。

代襲相続(相続人となるべき人が既に亡くなっている場合などに、その子供が代わりに相続すること)において、その相続分は「もともと親(被代襲者)が相続するはずだった分」をそのまま引き継ぐ。

(代襲相続人の相続分)
第901条 第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。

(補足)
代襲相続が発生するのは、相続人となるべき人が以下の事由に該当した場合である。

  • 死亡
  • 欠格(不正行為による資格剥奪)
  • 廃除(被相続人に対する虐待等による資格剥奪)

相続放棄をした場合には、その子供が代襲相続することはできない(最初から相続人でなかったものとみなされるため)。ここは試験等でもよく狙われる。

解法のポイント
本問は、「相続分」に関する4つのルール(養子、非嫡出子、半血兄弟、代襲相続)は、試験で頻出のセットである。しっかりと知識の整理しておこう。

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