FP1級の過去問を解こう(2025年9月)「建ぺい率・容積率」

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今回のテーマは、「建ぺい率・容積率」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>(2025年9月14日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>(2025年9月14日実施)【第4問】

【第4問】 次の設例に基づいて《問62》に答えなさい。
《設 例》
Aさん(50歳)は、昨年、父の相続により、弟と妹とともに実家の家屋とその敷地(甲土地)について、それぞれ3分の1ずつの共有持分を取得した。相続人は、Aさん、弟、妹の3人であり、申告期限までに相続税の申告・納付は完了している。
父が1人で居住していた実家の家屋(築50年)は、老朽化が進んでおり、現在は空き家となっている。Aさん、弟、妹にはそれぞれ持家があることから、甲土地を売却するか、有効活用するかについて話し合っている。
甲土地の概要は、以下のとおりである。

(注)
・甲土地は400㎡の正方形の土地であり、第一種中高層住居専用地域に属する部分は300㎡、近隣商業地域に属する部分は100㎡である。
・幅員15mの公道は建築基準法第52条第9項の特定道路であり、特定道路から甲土地までの延長距離は63mである。
・甲土地は、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。


《問62》 甲土地上の第一種中高層住居専用地域に属する部分と近隣商業地域に属する部分にまたがって耐火建築物を建築する場合、次の①および②に答えなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は㎡表示とすること。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
① 建蔽率の上限となる建築面積はいくらか。
② 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。なお、特定道路までの距離による容積率制
限の緩和を考慮すること。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>【第4問】(2025年9月14日実施)抜粋

正解:① 340(㎡) ② 996(㎡)

《問62》
① 建蔽率の上限となる建築面積はいくらか。 
建蔽率=$\frac{建築面積}{敷地面積}$× 100(%)


確認するポイント(甲土地)
・防火地域に防火建築物+指定建蔽率80%→制限なし
・前面道路の幅員6m→セットバック部分なし
・幅員4m→セットバック部分なし
・建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。 

建蔽率緩和のポイント(防火地域 × 耐火建築物)

  • 建蔽率が10%緩和される。
    • 建築物が耐火建築物であること(主要構造部が耐火性能を有する)。
    • 建築地が防火地域に指定されていること。
    • (特例)指定建蔽率が80%の地域においては、建蔽率の制限がなくなり、100%まで建築可能になる。(建築基準法53条6項1号)
  • 「角地緩和(+10%)」と併用可能

(甲土地) 
近隣商業地域 
20m×5m=100㎡
指定建蔽率80%だが、
防火地域に耐火建築物→制限なし
∴100㎡

第一種中高層住居専用地域
20m×15m=300㎡
指定建蔽率60%
準防火地域に耐火建築物
ただし近隣商業地域が防火地域のため10%緩和
「建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する(建築基準法65条2項本文)
角地緩和(+10%)

∴300㎡×(60%+10%+10%)=240㎡
100㎡+240㎡=340㎡

② 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。特定道路までの距離による容積率制限の緩和を考慮すること。 

容積率=$\frac{延べ床面積}{敷地面積}$100(%)

特定道路までの距離による容積率制限の緩和に関する計算式の適用
〈特定道路までの距離による容積率制限の緩和に関する計算式〉 
W1=(12-W2)×(70-L)/70 
W1 : 前面道路幅員に加算される数値 
W2 : 前面道路の幅員(m) 
L : 特定道路までの距離(m)

甲土地 
近隣商業地域 100㎡
指定容積率400%
前面道路の幅員による容積率制限6/10
特定道路までの距離による容積率制限の緩和に関する計算式
(12-6)×(70-63)/70
(6×7)/70=0.6
(6+0.6)×0.6×100%=396%<400%

※前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。)
(建築基準法52条2項)

指定容積率は400%なので、制限容積率は396%(小さい方)となる

∴100㎡×396%=396㎡①

第一種中高層住居専用地域 300㎡
指定容積率200%
前面道路の幅員による容積率制限4/10
特定道路までの距離による容積率制限の緩和に関する計算式
(12-6)×(70-63)/70
(6×7)/70=0.6
(6+0.6)×0.4×100%=264%>200%

指定容積率は200%なので、制限容積率は200%(小さい方)となる
∴300㎡×200%=600②

①396㎡+②600㎡=996㎡

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