【FP2級】CBT試験問題・2025年5月公表分・学科「民法:相続」

FP

今回のテーマは、「民法:相続」である。

CBT試験問題・2級 学科試験(2025 年5月公表分)

問54
民法に規定する相続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 相続の単純承認をした相続人は、被相続人の財産のうち、積極財産のみを相続する。
2) 相続の放棄をする相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
3) 相続人が相続の放棄をした場合、その放棄をした者の子が代襲して相続人となる。
4) 限定承認は、相続人が複数いる場合であっても、限定承認を行おうとする者が単独ですることができる。

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正解は 2 です。

【前提知識】
民法(相続)


それでは、各肢を検討していこう。

1 誤り。

相続の単純承認をした場合、相続人は被相続人(亡くなった方)の権利や義務を無限に承継する。

単純承認をすると、以下の2種類の財産をすべて引き継ぐことになる。

  • 積極財産(プラスの財産)→現金、預貯金、不動産、株式など。
  • 消極財産(マイナスの財産)→借金、買掛金、未払いの税金、保証債務など。
(単純承認の効力)
第920条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
(民法・e-GOV法令検索)

2 正しい。

相続放棄の基本ルール

  • 期間(熟慮期間)
    自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に判断する必要がある。
  • 方法
    被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、「相続放棄申述書」などの必要書類を提出して行う。
  • 効果
    相続放棄が受理されると、その相続人は「初めから相続人にならなかったもの」とみなされる。そのため、借金などのマイナスの財産を一切引き継がなくて済むが、同時に不動産や現金などのプラスの財産を受け取る権利も失う。

この3か月間に何もせず期限を過ぎてしまったり、あるいは期限内であっても相続財産を処分(売却や消費など)したりすると、単純承認したものとみなされ、以降は放棄ができなくなる。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

(相続の放棄の方式)
第938条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
(相続の放棄の効力)
第939条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
(民法・e-GOV法令検索)

3 誤り。

代襲相続が発生するのは、本来相続人になるはずだった人が、相続開始以前に「死亡」していたり、「欠格」や「廃除」によって相続権を失ったりした場合に限られる。

相続放棄の場合
放棄をした人は「初めから相続人にならなかったもの」とみなされる。その権利は次順位の相続人(例:子が全員放棄すれば、被相続人の両親など)に移るが、放棄した人の子へ引き継がれることはない。

原因子への代襲相続は?
死亡発生する
欠格・廃除発生する
相続放棄発生しない
(子及びその代襲者等の相続権)
第887条 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
(民法・e-GOV法令検索)

4 誤り。

共同相続人の一人が限定承認をしたいと考えた場合、他の相続人全員と一緒に家庭裁判所へ申し立てる必要がある。(民法923条)

(共同相続人の限定承認)
第923条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。
(民法・e-GOV法令検索)

(解法のポイント)
限定承認と相続放棄との違い

種類単独でできるか?理由・背景
相続放棄できる他の相続人に直接的な事務負担を強いることがないため。
単純承認できる相続人それぞれの権利行使として認められる。
限定承認できない財産清算の手続きが複雑で、相続人間で統一する必要があるため。

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