今回のテーマは、「総合福祉団体定期保険・団体定期保険(Bグループ保険)」である。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年1月25日実施)《問11》
《問11》 総合福祉団体定期保険および団体定期保険(Bグループ保険)の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない特約について
は考慮しないものとする。
1) 総合福祉団体定期保険および団体定期保険(Bグループ保険)は、いずれも1年更新の定期保険であり、毎年、保険金額を所定の範囲内で見直すことができる。
2) 総合福祉団体定期保険および団体定期保険(Bグループ保険)は、いずれも加入に際して保険約款に基づく加入予定者の告知が必要とされるが、団体定期保険(Bグループ保険)では、その告知に加えて医師の診査が必要とされる。
3) 総合福祉団体定期保険において、被保険者が死亡したことによりその遺族に支払われる保険金の額は、企業(団体)が定める弔慰金・死亡退職金規程等の福利厚生規程上の金額を上回らない。
4) 総合福祉団体定期保険のヒューマン・ヴァリュー特約は、被保険者の死亡等による企業(団体)の経済的損失に備えるものであり、その特約保険金の受取人は企業(団体)となる。
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正解は2です。
【前提知識】
総合福祉団体定期保険および団体定期保険(Bグループ保険)
それでは、各肢を検討していこう。
1 正しい。
総合福祉団体定期保険と団体定期保険(Bグループ保険)の共通点として、以下の特徴が挙げられる。
- 1年更新: 原則として保険期間は1年であり、毎年更新される。
- 見直しの柔軟性: 更新のタイミングで、脱退や加入内容(保険金額など)の変更を所定の範囲内で行うことが可能である。
主な違い
| 項目 | 総合福祉団体定期保険 | 団体定期保険(Bグループ) |
| 主な目的 | 従業員の死亡退職金・遺族弔慰金の準備 | 従業員の自助努力による保障の上乗せ |
| 保険料の負担 | 全額企業(負担者) | 全額従業員(自己負担) |
| 受取人 | 企業または遺族(規約による) | 従業員の指定した遺族 |
2 誤り。
団体定期保険(Bグループ保険)においても、原則として医師の診査は不要であり、自己申告による「告知」のみで加入手続きが完了する。
告知と診査の比較
| 保険種類 | 医師の診査 | 加入時の告知 |
| 総合福祉団体定期保険 | 不要 | 必要 |
| 団体定期保険(Bグループ) | 不要 | 必要 |
| 一般の個人定期保険 | 原則必要* | 必要 |
3 正しい。
総合福祉団体定期保険は、企業が従業員の弔慰金・死亡退職金規程を円滑に履行するために加入するものである。そのため、保険金額の設定には合理性が求められる。
この保険には、以下の「適正な保険金額」に関するルールがある。
- 目的との整合性: そもそも企業が保険料を全額負担するのは、自社の福利厚生規程(弔慰金や退職金)を支払う原資とするためである。
- 逆選択やモラルリスクの防止: 規程を大幅に超えるような高額な保険金を設定することは、公序良俗の観点や税務上の観点(全額損金算入の妥当性)から認められない。
受取人の違い
| パターン | 保険金の受取人 | 規程との関係 |
| 企業が受け取る場合 | 企業 | いったん企業に入り、規程に基づいて遺族へ支払われる。 |
| 遺族が直接受け取る場合 | 被保険者の遺族 | 企業の規程に基づき、あらかじめ遺族を受取人に指定しておく。 |
4 正しい。
ヒューマン・ヴァリュー特約のポイント
目的: 従業員(被保険者)が死亡した際、企業が被る「経済的損失」をカバーすること。
- 例:後継者の採用・育成コスト、売上の減少、残された仕事の整理費用など。
受取人: 企業(団体)に限られる。
- 主契約の死亡保険金は(規約により)遺族が受け取ることもあるが、この特約は企業のためのものなので、受取人は必ず企業になる。
金額: 法人が受け取るため、社会通念上適正な範囲内(合理的な損失見積額)で設定する必要がある。
総合福祉団体定期保険の構造まとめ
| 区分 | 補償の内容 | 保険金の受取人 |
| 主契約 | 遺族への弔慰金・死亡退職金の原資 | 遺族 または 企業 |
| ヒューマン・ヴァリュー特約 | 企業の経済的損失の補填 | 企業 のみ |
| 災害慶弔見舞金特約 | 不慮の事故による障害・入院など | 企業 または 被保険者 |
(解法のポイント)
試験対策としては「団体保険は原則として医師の診査が不要」という点をしっかり押さえておこう。


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